長く一緒に暮らしていると、家族の間で「やってもらって当たり前」という甘えがどうしても生じやすくなる。
ゴミ出しをしてくれたこと、お皿を洗ってくれたこと、美味しいご飯を作ってくれたこと、部屋を掃除してくれたこと。
日常の些細な家事や気配りは、決して自動で行われているわけではない。誰かの時間と労力がそこに使われているのだ。
我が家では、どんなに小さなことでも、何かをしてもらったら必ず「ありがとう」と口に出して伝えることを、暗黙の、しかし最も大切なルールにしている。
言葉にしなければ、感謝の気持ちは相手に伝わらない。
「分かってくれているはず」という思い込みが、少しずつ関係に小さな亀裂を生んでいくのを、私たちはこれまでの経験で知っている。
だからこそ、照れずに、ストレートに言葉にするのだ。
娘が少し反抗期気味でぶっきらぼうな時でも、「ありがとう」と言われると、嬉しそうな表情を一瞬隠しきれずにいるのが微笑ましい。
感謝の言葉が行き交う家の中は、不思議と空気感が柔らかく、温かくなる。
仕事の人間関係でも全く同じことが言えるが、一番身近で、一番甘えてしまいがちな「家族」に対してこそ、最高の礼儀と感謝を尽くすべきなのだと思う。
今夜も、夕食後の片付けをしてくれた妻と娘に、精いっぱいの「ごちそうさま、ありがとう」を伝えよう。